ドライマウス(口腔乾燥症)とは、唾液の分泌が少なくなる事で生じるお口の違和感や痛みの出る症状です。

症状としてはお口の乾燥、不快感、話しにくい、食事がとりにくい、飲み込みにくい、味覚異常、口臭、舌の痛みや灼熱感、虫歯、口内炎ができやすい、口唇や口角炎、義歯が合いづらい、夜間の口渇感等です。発症原因が複数に渡る場合もあり、検査などを通じて原因を解明し、快適な生活がおくれるよう症状の緩和を図ります。

こんな症状があると危険です

  • 食事など食べ物を食べにくい。
  • 口が渇いて話がしにくい。
  • 味覚がおかしい。
  • 虫歯が多かったり、増える。
  • 舌や唇がひび割れて痛い。
  • 唾液腺がはれる。
  • 食べ物を飲み込みにくい
  • 咳がでやすい。
  • 感染症
  • 誤嚥性による肺炎が出やすい
  • 菱縮性胃炎
  • 舌が痛い
  • お口の中がピリピリする。
  • 食べ物がつまりやすくなった

※舌が痛い、お口の中がピリピリする、味覚がわからないは舌痛症や味覚障害の疑いが考えられますのでかかりつけ医との共観も必要になります。

日常生活の注意点

  • 口の中を潤わせる
    水筒やペットボトルなどを外出の際に持ち歩いたり、保湿剤を使うこともよいと思われます。
  • 口腔内を清潔に保つこと
    刺激性のある歯磨剤やアルコール入りなどの洗口剤は粘膜に悪影響ですので避けましょう。
  • 噛む回数を増やす
    噛む回数を増やすことで唾液分泌が促進されることがあります。
  • 固い飴やガムを食べる
    咀嚼に関係し唾液が増える可能性があります。この場合の注意点は、虫歯の原因とならないシュガーレスやキシリトール入りを食べること。
  • 軽い運動をする
    運動により自律神経を刺激して、唾液分泌を促進します。
  • 酸味のある食べ物で刺激する。
    酸味は唾液分泌を促進しますが、重度の場合は痛みを生じる可能性があります。
  • 唾液腺の分泌促進マッサージや舌運動トレーニング
    唾液腺マッサージをすることも効果があります。
  • 処方薬剤の変更                                                      他科での処方薬剤で唾液量減少の副作用がある薬剤は、かかりつけ医で変更可能か相談しましょう。
  • 口腔乾燥によるむし歯治療と歯周病治療                                           乾燥によるむし歯や歯周病が進行しやすいため悪化しないよう治療を行わないといけません

治療法

口輪筋のトレーニングや唾液線を刺激させるトレーニング、保湿剤による乾燥予防、ホルモン療法、舌の不随意運動による傷を避けるためのシーネ装着、漢方やSSRI、TCA含めた投薬治療等で改善を図ります。

虫歯や歯槽膿漏が進行している事も多いためむし歯治療や歯周病治療も並行しておこないます。

症状はすぐに改善する方もおられますが、緩やかに症状が軽減して気にならなくなる方もおられます。また、女性の方に症状がよく出ますので生活習慣も含めて詳しい検査が必要になる場合もあります。症状を軽減させて、快適な生活を送る事が出来るよう先ずは一緒に考えていきましょう。