一生ものの歯を獲得するには小児期からのむし歯コントロールが必要になります。ご家庭での食育指導に始まり、むし歯のコントロールが後に続く健全な永久歯の育成へとつながります。

小児歯科

始めての歯医者さんで病院の苦手な子供さんに

歯医者さんが苦手になるいやいや時期の3歳前後の子供さんで、どうしても治療をしなければいけないが治療が難しい子供さんには、セメントでむし歯を密閉すれば細菌は激減し、柔らかくなった歯質は再石灰化することが認められており、のぐち歯科クリニックではそういった子供さんには歯を削らずに手用器具で可能な限り取れるむし歯を除去して、セメントで閉鎖する方法を行っています。
後は、歯科受診に慣れるまでブラッシングや食事指導およびフッ化物塗布を中心に定期検診を行い、不安度が低下した時点で、最終的なむし歯治療を行います。
子供さんの治療は3歳ごろから社会性が出てくる小学校に上がるまでイヤイヤ期が続く場合があります。一緒に付き添われる親御さんは大変だと思いますが、どうぞ叱らずに褒めてあげて下さい。

シーラント治療

生えたばかりの歯の表面は凸凹していて、その溝に食べたものが詰まることでむしば菌(ミュータンス菌)が繁殖してしまいます。食べカスが詰まらないように、あらかじめ溝を埋めてしまうものがシーラントです。今後の治療の必要性がかなり軽減することはもちろん、治療が必要になっても、その時の導入もスムーズになります。
シーラントは、奥歯の溝を物理的に封鎖したりシーラント材の中に含まれるフッ化物により再石灰化作用を促進するむし歯予防法です。4年以上で約60%のむし歯予防効果が認められ、特にフッ化物応用との併用によってむし歯予防効果はさらに増加します。むし歯発症リスクの高い歯に行うと特に有効です。

フッ素塗布

フッ素は歯に直接塗布するもので、虫歯菌が出す酸に対し、溶けにくい強い歯を作る作用があります。フッ素は普段から摂取している必要栄養素のひとつなので、体に安全です。

上唇小帯

小帯がかなり短いと、上あごの発育を抑制することがあり、歯並びに悪い影響を与えることもあります。
また上の前歯の間に隙間ができることがあります。
歯磨きがしにくく、汚れがたまりやすくなり、前歯にむし歯ができやすくなります。
歯ブラシをするとき、小帯が傷つきやすく、歯磨きを嫌がることもあります。
適切な時期に小帯を切除することで、歯並びの異常や発音障害、虫歯リスクを軽減する事が出来ます。

歯をぶつけたり怪我をした場合

歯のケガは小児期に多く、乳歯では1~3歳、永久歯では7~9歳に最も多く発生します。症状は、歯が欠ける場合(破折)と歯の位置や長さが変わる場合(脱臼)、そして抜けてしまう場合(脱落)があり、それぞれ治療法が異なります。歯をケガしたら、なるべく早く受診することをお勧めします。その時、破折の場合は「歯のかけら」があれば持参し、脱落の場合は「抜けた歯を牛乳に浸して」持参してください。

過剰歯(余分な歯)

本来生える本数以外に余分な歯が生えてきている子供さんは、歯並びが開いたままなかなか閉じてくれなくなったり、

歯並びへの対応

永久歯の歯並びが健全に萌出するため、咬合発育の妨げとなる要因を早期に発見し、乳歯列のうちから噛み合わせの管理を行い誘導していく必要があります。

乳歯列の受け口治療

のぐち歯科クリニックでは乳歯の受け口は可能なら治療する方が良いと考えており、3~5歳頃簡単な装置により治療を開始しています。

混合歯列期の歯並び

早い子供さんなら5歳以降、前歯が生え変わる事があります。特に前歯は永久歯の方が大きいため床装置を使用した側方拡大が必要になる場合があります。

小児歯科では、むし歯・歯周病の予防・治療、歯並びの治療、埋伏過剰歯や嚢胞の外科処置、歯・口のケガの治療など、子どもさんに生じたすべての口腔の異常・疾患を対象として診療を行っています。また、長期にわたる口腔健康管理を強力に実践して、成人になっても歯科受診する習慣を育てることに注力しています。

授乳期間中に、お子さんの歯をむし歯にしないために              授乳期間中にもかかわらず、むし歯ができて受診されるお子さんがおられます。  このような子どもさんのむし歯を予防するために是非知っておいて頂きたいこと
生えて間もない歯は、歯の質が弱いため、わずかな細菌の攻撃でも 簡単にむし歯に
なってしまいます。 母乳でも断乳時期や歯に悪い環境下では、むし歯の原因になることもあります。
また、歯が生えてきて離乳食など母乳以外の飲食物を口にするようになると、歯にむし歯を作る細菌が定着し始めます。
市販のお菓子や飲料を与えると、むし歯を作る細菌の活動が活発になり、たとえ母乳
であっても細菌への栄養となり、歯が溶ける原因になります。

虫歯にならないために、、、、                        1・食生活
食事と母乳のほかは、お茶や水以外のものを与えないようにしましょう。特に、清涼飲料水や乳酸菌飲料、果汁などの飲み物や市販のお菓子は、早くても卒乳してからにしましょう。
上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる家庭では、市販の菓子類を早くから飲食すること
があるので、十分な注意が必要です。補食を与えるのなら、果物や芋など自然の
ものの中から選ぶようにしてください。
2・歯の手入れ(子どもの歯)
上と下の前歯が生えてくれば、上の前歯を中心に磨くようにしてください。
小さなお子さんの歯を磨くのはかなり大変なことですが、子どもさん自身も時間がか
かると、結構ぐずるようになります。ぐずられる前に、むし歯になりやすい上の前歯
から磨くようにしましょう。
このとき前歯の外側(唇面)だけでなく、裏側(口蓋側)も忘れずに磨いてあげてく
ださい。多くの方に歯みがきをしていただくと、下の前歯から磨き始める方が多いの
ですが、上の前歯と比べ下の前歯は余りむし歯にはなりません。
一度に全ての歯を磨こうとせず、数回に分けて全体を磨けばいいと考えたほうがいい
でしょう。
夜に歯みがきをするという方が多いようですが、少なくとも一度は昼間にも磨くよう
にしてください。
昼間の歯みがきは、窓際の明るいところで行うようにしましょう。
明るいところで歯みがきをすると、歯のわずかな汚れもよく見え、歯みがきの効率も
良くなります。
また、昼間のほうが小さなお子さんの機嫌も良く、夜よりは磨きやすいことも多いと
思います。
3・歯の手入れ(お母さまの歯)
赤ちゃんが生まれる前から、お母さまの歯を丁寧に磨くようにしておきましょう。
お母さまの口の中が汚れていたりむし歯があると、むし歯の原因となるむし歯菌(ミュータンス菌)が多く存在し、赤ちゃんに感染しむし歯の原因になります。
お母さまのミュータンス菌が、お子さんに感染することを「母子感染」と言います。
お母さまを含めたご家族の使っているお箸やスプーンなどから、赤ちゃんの口の中に細菌が感染するものです。
食べ物の口移しや食器の共有を、出来るだけ控えるように心がけていれば、さほど心
配することもありません。
また、むし歯菌(ミュータンス菌)が感染しても、すぐにむし歯が出来るといったも
のではありません。
4・授乳について(とくに歯が生えてきてからの授乳)
いつでも、どこでも、何度でも、といったパターンにはまってしまうと、むし歯がで
きるきっかけになることがあります。
外遊びを増やし、おっぱいを欲しがる回数が少なくなるように工夫してみましょう。
寝かせつける時おっぱいを欲しがる時は、ぐっすり寝入ってしまえばおっぱいを口か
ら外すようにしましょう。おっぱいをくわえさせたままにしておくと、歯の裏側にむ
し歯ができやすくなります。

歯科の受診はいつからがいいの?

1才前に小児歯科を受診されることをお勧めします。
歯に関して子どもたちが最初に出会う健診は、多くの場合 1 才6ヶ月健診だと思い
ます。
しかし、1才6ヶ月の健診でむし歯を指摘され受診してこられた時は、かなり 進行
したむし歯 になっていることも多く、対応が難しいことも少なくありません。
1 才前に歯のチェックを行なえば、たとえ何か異常があっても、軽症のうちの対応が
出来るので、子どもさんも歯科医の側にも大きな負担がかかることなく、その後の健
康管理が可能となります。