食事をする時に顎が"ガクガク" 鳴ったり、口をあける時に痛くなったり、時には口が開かなくなります。

顎関節症

下記のようなことはありませんか?
~ チェックしてみましょう! ~

・噛み合わせがよくない
・片方の歯だけでよく噛む
・ほおづえをよくつく
・姿勢が悪い
・歯ぎしりをよくする

当てはまるようなら顎関節症のリスクが高くなります。

顎の痛みにはマウスピース療法、開閉口時の理学療法、薬物療法、TCH除去などにより改善をしていく治療をします。

顎の痛みにはマウスピース療法、開閉口時の理学療法、薬物療法、TCH除去などにより改善をしていく治療をします。

マイオモニター

筋肉のマッサージの器械(マイオモニター)を使ってストレスを除きます。放置しておくと、口が開きにくくなったり(開口障害)、閉じにくくなる場合があります。

顎関節症の病気の状態(病態)は現在4つに分類されています。最も多いのは関節内にある関節円板という軟骨が前方にずれることで起きる「カクンカクン」という音が出る状態(クリッキング)、あるいはずれがもっと大きくなることで大きな口が開けられなくなる状態です(クローズドロック)。特に口が大きく開かなくなると、あくびや食事をとる際に痛みが出ます。この2つの状態で来院される方が全体の60%ほどになります。これ以外では顎関節そのものには痛みがないのですが、下顎を動かす筋肉がうまく働かなくなり、口を開けようとすると頬やこめかみの筋肉が痛むという状態、あるいは関節円板のずれはないのですが、口を開けようとすると顎関節が痛む捻挫に似た状態があります。4番目はこれまでの3タイプほどは多くありませんが、関節を作っている骨が変形するタイプの顎関節症があります。このタイプは長年顎関節症が続いていたり、年齢の高い方に多くみられます。

 

顎関節症の原因

顎関節症が発症するには一つの原因のみで発症するだけでなく、複数の要因によりそれがコップの水が溢れるかのように許容範囲を超えてしまうと症状として現れます。

 

1. 解剖学的要因

元々その方の持つ顎関節や顎を動かす筋肉の構造的弱さにより生じることがあります。

2. 咬合要因

不良なかみ合わせ、歯並び、親知らずが生えてきて噛み合わせが変わったりすることも原因となります。

3.精神的要因

精神的緊張の持続、不安な気持ちの持続、
気分の落ち込み感覚の持続

4. 外傷要因

かみちがい、打撲、転倒、交通外傷

転倒して下顎をぶつけて顎関節を傷つけたり、過度な外力がかかったりそれがきっかけとなって顎関節症が始まることがあります

5. 行動要因

1) 日常的な習癖
歯列接触癖(TCH)、頬杖、受話器の肩ばさみ、
携帯電話やスマホの 長時間操作、下顎を前方に突き出す癖、
爪かみ、筆記具かみ、うつぶせ読書
2) 食事
硬固物咀嚼、ガムかみ、片側でのかみ癖
3) 睡眠
はぎしり、睡眠不足、高い枕や固い枕の使用、
就寝時の姿勢(うつぶせ寝)、手 枕や腕枕
4) スポーツ
コンタクトスポーツ(ボクシング、空手、アメフトなど)、野球やゴルフなどの球技、ウインタースポーツ、
スキューバダイビング(レギュレータを長時間咥えている事で生じやすい)
5) 音楽
楽器演奏(特に吹奏楽器)、歌唱(声楽、カラオケ)、発声練習(演劇等)
6) 社会生活
緊張が持続する仕事、コンピューター作業、精密作業、
重量物運搬、人間関係での緊張、介護職や運送業などで重い物を運ぶ機会が多い方に起こりやすいです

顎関節症の治療

マウスピース(スプリント)療法

上顎あるいは下顎の歯列に被せるプラスチックシートの装置です。これを夜間睡眠中等に使用することで、夜間の無意識かみこみで生じる顎関節や筋肉への負担を軽減させます。

痛みが強い時期には鎮痛薬を服用して症状を緩和させます。

また、痛む部位に近赤外線や電気刺激をすることで筋肉を収縮させて血流促進させる場合もあります。

開口訓練トレーニング

急性期の痛みが和らいできたら、少し痛みを感じる程度に関節を動かし、筋肉を引き延ばす訓練療法を行うと痛みの改善が早まります。

習慣や癖を修正する行動認知療法

噛みしめや食いしばり、歯ぎしり等を日中行っている方は、睡眠時に無意識的に同じ事を反復する事がわかってきました。TCH(歯牙接触癖)と呼ばれています。

それを改善するには日中ご自身の上下の歯を無意識に当てているのを意識して辞めるようにする事で、睡眠時にもそれがフィードバックされるようになります。

マッサージや湿布

 

最後に

顎関節症は症状が消失したようにみえて、癖や悪習慣によっては再燃することがあります。理学トレーニングや開口訓練、不正咬合については矯正治療、不良な親知らずの抜歯等により症状が再燃することなく快適な生活を送られるよう一緒に治療していきましょう