虫歯治療で使われる銀歯や詰め物など、金属を口の中に入れることで顔・全身にアレルギー症状を発症することがあります。症状としては口内炎や歯肉炎、舌炎など口腔内の症状だけでなく、口の周りや背中、手や足など、全身の皮膚に湿疹などの炎症が現れる事があります。
「なかなか治らない背中の湿疹が、実は歯科金属アレルギーだったということが判明。対象の金属を除去したら、完治につながった」というケースも。また、口の中に金属を入れて数年後に突然発症することもあります。

こんな症状はありませんか?

口内炎ができやすい。

歯茎の炎症が起こりやすい。

舌がピリピリする(灼熱感がある)

口の周りが湿疹が出来てきた

背中や全身の皮膚に湿疹ができてきた

手や足に水膨れや膿が繰り返し出来てきた。

頭痛やめまい

慢性的な肩凝り

脱毛

どんなアレルギーがあるの?

Ⅰ型アレルギー(アナフィラキシー反応、即時型アレルギー)

抗原との接触後、短時間

で起こる

花粉症・蕁麻疹・喘息・アトピー性皮膚炎・ハウスダスト、キシロカインショック、ペニシリンなどの抗菌薬で歯科ではおこります。

Ⅱ型アレルギー(組織障害性反応)

抗原+抗体+補体が細胞表面に結合した結果、その細胞が侵襲を受ける

自己免疫性溶血性貧血・血小板減少症などが挙げられます。

Ⅲ型アレルギー(免疫複合体反応)

抗原抗体複合体により、あらゆる臓器や組織が傷害される

SLE(全身性エリテマトーデス)など

Ⅳ型アレルギー(細胞性免疫反応、遅延型アレルギー、細胞免疫型アレルギー)

抗原に感作されたT細胞の産生するサイトカインによる反応で起こります。

接触性皮膚炎・金属アレルギー

V型アレルギー (抗レセプター型アレルギー)

II型アレルギーと似た細胞から抗体物質が分泌され続けるために起こるアレルギー

甲上腺機能亢進症(バセドウ病)など

 

治療について

原因となる金属をパッチテストなどで特定します。

よくある原因となる金属はコバルト、ニッケル、パラジウムなどがあげられます。

原因となるお口の中の金属を外して、仮の歯などに置き換えていきます。

すぐに症状が落ち着くわけではなく、完治までに数ヵ月ほどの時間がかかるため、場合によっては仮の歯に置き換えた状態で経過を見て少しずつ非金属の材料やアレルギーを起こしていない貴金属などの材料を様子を見ながら変えていきます。

ただ、金属以外でもプラスチックなどでもアレルギーは起こりうる為、症状を見ながらになって行きます。