顎関節症の病気の状態(病態)は現在4つに分類されています。最も多いのは関節内にある関節円板という軟骨が前方にずれることで起きる「カクンカクン」という音が出る状態(クリッキング)、あるいはずれがもっと大きくなることで大きな口が開けられなくなる状態です(クローズドロック)。特に口が大きく開かなくなると、あくびや食事をとる際に痛みが出ます。この2つの状態で来院される方が全体の60%ほどになります。これ以外では顎関節そのものには痛みがないのですが、下顎を動かす筋肉がうまく働かなくなり、口を開けようとすると頬やこめかみの筋肉が痛むという状態、あるいは関節円板のずれはないのですが、口を開けようとすると顎関節が痛む捻挫に似た状態があります。4番目はこれまでの3タイプほどは多くありませんが、関節を作っている骨が変形するタイプの顎関節症があります。このタイプは長年顎関節症が続いていたり、年齢の高い方に多くみられます。